アスベスト解体工事

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01アスベストとは?

アスベストは天然の鉱物繊維で石綿とも呼ばれ、熱等に強く、丈夫で変化しにくいという特長があるため、耐火・耐熱・防音用に屋根材、外壁材、断熱材など様々な建材に使用されてきました。

近年アスベストによる健康被害が注目され、日本では1975年から徐々に使用の制限が行われ、現在では製造、使用が原則禁止となっています。

02アスベストの危険性

アスベストは肉眼では見ることのできないきわめて細い繊維なので、飛散すると空気中に長く浮遊しやすく、これを吸入した場合、肺の組織内で変化せずに滞留しつづけ肺の繊維化や肺がん、悪性中皮種などの病気を引き起こすことがあります。

そのため解体工事を行う際にはアスベストが飛散しないように細心の注意を払い作業を行うことが必要になります。

03アスベスト調査

住宅、建物の解体を行う場合には事前にアスベスト調査を行う必要があり、解体業者は事前調査に関する記録を作成し、工事が終了した日から3年間の保存する必要があります。

また令和4年4月より一定規模以上の建物の解体工事を行う業者はアスベスト調査結果の報告が義務付けられます。
建物解体の報告対象は
(1) 解体作業の対象となる床面積の合計が80平方メートル以上の解体工事
(2) 請負代金の合計額(税込)が100万円以上の改造・補修工事
※報告が不要な工事でも、事前にアスベスト調査を行う必要があります。

04アスベストレベル

アスベストが使用されている場合、粉塵の飛散しやすさ(発じん性)によってレベル別に分類されます。レベル1からレベル3までの3段階で分けられレベル1が最も危険性が高く、健康被害を防ぐためにより慎重な作業が求められます。

ここではさらに各レベルごとに詳しく解説してきます

レベル1:発じん性が著しく高い

・建材の種類
石綿含有吹き付け材
石綿含有吹き付け材はアスベストとセメントを混合した建材で、建築物に吹き付けることで綿の状態で耐火、吸音、結露防止などの目的で使用します。しかし綿状のアスベストはとても飛散しやすいため、まずアスベストを撤去してから解体作業時を行う必要があります。

・具体的な使用箇所の例
エレベーター周り、ボイラー室の天井や壁、体育館などの天井や壁

・作業に必要な対策
著しく発じん量が多い作業となるため、作業場所の隔離や前室の設置などの飛散防止対策、高濃度の粉じん量に対応した防塵マスク、保護衣を適切にしようするなど、厳重なばく露防止対策が必要になります。

レベル2:発じん性が高い

・建材の種類
石綿含有保温材、耐火被覆材、断熱材
石綿含有保温材はシート状で配管などに巻き付け保温材として、また耐火被覆材は板状で鉄骨や梁などに耐火用で貼り付けられています。どちらも吹き付け材に比べて飛散のリスクは少ないものの、比重が小さいため崩れてしまった際などに大量に飛散する恐れがあります。そのためレベル1と同様にアスベストを撤去してから解体作業を行う必要があります。

・具体的な使用箇所の例
ボイラー本体と配管、空調ダクト、建築物の柱や梁・壁、煙突

・作業に必要な対策
レベル1と同様に飛散防止対策と防塵マスクなど作業員の厳重なばく露対策が必要になります。ただしレベル1に比べて多少簡易的な保護具となります。

レベル3:発じん性は比較的低い

・建材の種類
その他の石綿含有建材 (成型板等)
レベル1、レベル2と比較して板状などに硬く成型された建材がレベル3に該当します。硬く崩れにくい建材となるため飛散のリスクが低く一般的な木造住宅でも使用されている可能性があります。

・具体的な使用箇所の例
建築物の天井・壁・床の内装材、建築物の屋根材や外壁材、ビニル床タイル

・作業に必要な対策
破砕、切断などの作業を行う場合には発じんを伴うので湿潤化が必要となりますが、レベル1、レベル2と比較して厳重な対策は不要となり、作業員のばく露対策も簡易的となります。

05まとめ

アスベストの健康被害などの危険性と解体工事を行う際のレベルについてご説明しました。

健康被害を防ぐためにも事前に調査を行い、適切な作業を行うことが重要です。アスベストの除去工事を伴う場合には解体費用が高くなってしまいますが、地方自治体によって調査、除去工事に補助金制度を活用できますので事前に地方公共団体に確認しておくとよいでしょう。